香りの散歩道


俺のおやじが作った野菜です 


墨絵・朝野泰昌


 週末農業をはじめたり、地元で生産された野菜を積極的に買ったり…。

さまざまな方法で、農業と関わる人が増えています。

食の安全性や自給率について、自分なりに考え、行動しようというムーブメントが起きているのですね。

そうしたなか、「セガレ」というプロジェクト名で動きはじめた若者たちの活動が注目を集めています。


 「セガレ」のメンバーは、実家の農業を継がずに、東京で働いている息子や娘たち。

自分たちのことをセガレ、セガールと呼んで、東京にいながら親のため、農家のため、地元のためにできることはないだろうかと、小さなチャレンジを続けています。

「セガレ」の主な活動は、実家で収穫した作物を東京で販売すること。
都内の各地で開催される青空市場やフリーマーケットなどに出店して、「俺のおやじが作った野菜です」と胸を張って売っています。

親は作物をつくるプロでも、販売するのは自分たちのほうがうまいはず…と、営業経験を生かして売り上げに貢献しているメンバーもいます。

ただ売るだけでなく、都会の人にふるさとの匂いがする地元の作物の魅力を伝えるのも、彼らの大切な役割。
田植えや稲刈りツアーを企画したり、農地の相続問題について勉強するシンポジウムを開催するなど、その活動は少しずつ広がりを見せています。

農家を継いでいない後ろめたさを抱えつつ、農業に対して都会のセガレができることを考え、楽しみながら実践している…。
彼らの活動に触発されて、私たちにもできることがありそうな気がしてきませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週木曜日に日本海新聞で掲載しています



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