明日、1月15日は「小正月(こしょうがつ)」。 暮れから年の始めにかけて忙しく働いた、女性たちをねぎらう意味を込めて「女正月(おんなしょうがつ)」とも呼ばれています。 大人の女性が集う骨休めの一日。 歌留多(かるた)遊びなどいかがでしょう。
優雅な気分で百人一首もいいですが、近頃は、昭和の暮らしを彷彿とさせるような、ちょっとレトロな匂いがする歌留多も登場しています。 遊びながら家庭料理の心とコツを学ぶことができる、『お料理いろはかるた』もその一つ。 大正時代から昭和初期にかけて、料理研究家の第一人者として活躍した中江百合(なかえ・ゆり)さんが、昭和24年、雑誌『暮しの手帖』に発表した文章を歌留多にしたものです。 掲載された当時は、文章だけで挿し絵はなかったそうですが、55年の時を経て中江さんの息子さんが絵を描(か)き、平成16年に『お料理いろはかるた』として完成しました。 いろはの「い」は、「いの一番、料理は親切」。 短い言葉の中に、食べる人や食材への愛情が感じられますね。 いろはの「は」は、「はすはカリカリふたをせず」。 はすを歯ごたえ良く煮るためには、鍋にふたをしないという料理のコツが、この一言に込められています。 幸せな食卓づくりの知恵と工夫が詰まった『お料理いろはかるた』。童心にかえって遊んでいるうちに、料理の腕が上がるかもしれませんね。