香りの散歩道


エコロジーな湯たんぽが人気

墨絵・朝野泰昌


 エコロジーな暖房として、人気沸騰中の「湯たんぽ」。

ぽかぽかとカラダにやさしい暖かさが見直され、数年前から愛用者が増えていましたが、この冬、一気にブレイクしたようですね。

電気や火を使わず、眠りにつく頃にはゆっくりと温度が下がっていくので、子どもや年配の方も安心。
 翌朝、まだあったかい湯たんぽの中のお湯で顔を洗えば、これも省エネの一つになります。

 昭和40年代まで、山陰の湯村温泉では、高温の源泉がたっぷりと湧き出る荒湯(あらゆ)のお湯を入れた湯たんぽで、冬の宿泊客をもてなしていたそうです。エコライフの先駆けともいえる、こうした風習を復活させようと、湯村温泉では3月9日まで『荒湯ゆたんぽ体験』を実施中。宿泊する旅館に申し込めば、オリジナルの湯たんぽを貸し出してくれるそうです。

 また、湯たんぽは、冬の防災用品としても役立っています。1995年の1月17日、阪神・淡路を襲ったあの大震災で、避難生活を強いられた人たちを寒さから救ったものの一つが、湯たんぽでした。その後、海外の被災地へも、日本のボランティア団体が救援物資として湯たんぽを提供。それまで湯たんぽを見たこともない人たちが、日本からの贈りものを「あったかい」と喜んでくれたそうです。

 心まで暖めてくれる、湯たんぽの心地よさ。皆さんはもう体験しましたか?


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。



*このコーナーは毎週木曜日に日本海新聞で掲載しています



香りの散歩道TOPへ  /  TOPへ  /  歳時記へ