ヒゲおやじの絵日記/心の旅人

第47話 噛めば勝利の日和あり

絵と文・猪熊燻太郎/提供・朝野家


 前回、(有)前田技研の前田社長から聞いた納豆パワーの凄(すご)さを書いたところ、早速日本海新聞の愛読者の方から前田さんに聞いた話をもっと書け、と電話をいただいた。

決闘の人生
 それでは、前田社長の話の魔術の中から昔の剣豪のことを一つ。
「戦い」の語源は「たたきあい」だそうな。
ムカッ腹を立て、こぶしでなぐる行為は、もっとも原始的戦争の起源なのだ。
 ところで、剣豪、武芸者は意外と長生きだったとか。ちなみに、柳生新陰流の元祖・柳生石舟斉…八十歳。柳生但馬守…七十六歳。柳生十兵衛…六十三歳。宮本武蔵…六十二歳。宝蔵院胤栄…八十七歳。
なんだ今と変わらんぞ…と言うと、江戸初期の平均寿命が三十五歳だったそうな。
 武芸者の人生は決闘、戦闘の人生で、相当ストレス人間だったのでは…ところがわれわれ凡人と違い、ストレスをためない生活習慣を身に付けていたそうだ。
して、その剣豪たちのストレス解消術とはいかなる方法か…前田さんいわく、なーに簡単なことさ。

剣豪の秘伝

 剣豪の秘伝その一、
常に姿勢がいいこと。背スジを伸ばし、ケツを出さず、ヘソ下三寸に意識を集中させれば精神安定し、まさに正眼崩しの構えだ。

 秘伝その二、
呼吸法だ。姿勢が良いと自然に呼吸も整う。脳に新鮮な酸素が供給されるから落ち着いて対せるのだそうな。

秘伝その三、
粗食に親しむこと。剣豪は美食を好まない。動物的な反射神経、直感力を保つために、できるだけ固い物を奥歯でゆっくり噛(か)みしめながら食事をとる習慣を身に付けると、脳波が安定し、アルファ波になり、不安や緊張感が、水が引くように消えるらしい。
おもしろい話がある。ある精神科医の調べによると、自己主張型の人。人の話を聞かないタイプの人。すぐ逆上し、キレやすいタイプの人に共通しているのが、驚くほど早食いが多いことが分かっているそうな。

苦難の時代を生き抜くために
 また、前田さんは企業経営者で元気な人の食事を聞き取り調査して分かることは、脳機能神経伝達回路が活性化するメニューを巧みに組み立て、食っているという。なるほど、なるほど、いつの時代も賢くなくては敵に勝てないというわけだ。
 七難七坂、苦難の時代を勝ち抜くために、ぜひ剣豪パワー食に注目することだ。最後に前田さんは、ボクの顔をしみじみと見つめてからこう言って帰った。
 『少々頭の悪いヤツでも食事を整え、健康で闘志をわき立たせ、気力を高めりゃー、信じられないような成功を勝ち取ることも夢ではないから心配するな』と…。

 前田さんの言葉を噛みしめた一日だった。


*このコーナーは毎週日本海新聞で掲載しています


ヒゲおやじの絵日記TOPへTOPへ新着情報へ