ヒゲおやじの絵日記/心の旅人
第41話 人生の締め切り
絵と文・猪熊燻太郎/提供・朝野家


人生の締め切り
 昔なら朝はコケコッコーの一声で起きたもんだ。
今は、コケコッコーはどこを探してもいない時代だ。

今日を大切に
 ボクは毎朝五時起床。機械を作動させている間に、家内の入れてくれた熱いコーヒーを味わいながら、最近凝っているモーツアルトを聴いて瞑想にふけるのだ。
昨日心に浮かべたり、隣人に発した罪な言葉とおろかさを反省するのだ。
今日というかけがえのない一日を、怠惰に過ごさないように、小さな祈りで始まる。
 そして、あわただしい一日が過ぎていく。夕食はたいてい九時。
鳥取の図書館から借りた本数冊、手付かずで積んである。
今夜こそ…あー明日は原稿の締め切りだ。一瞬めまいが起きた。
何を書こうか… 頭に好きな人たちの顔が浮かんだ。止めとこう… 
地元の人たちを書きたい… 書けない… 後でその人の足を引っ張り、頭たたきを恐れる。田舎という地域の精神文化の後進性が悲しい。
 えーい、いっそボクが中学生の時、ある新聞社に投稿して見事ボツにされたマンガ
『西部のガンマン』を再生させよう。

神様から借りた命
 あのころはマンガ家になるのが夢だった。
この夢もボツにしてしまったが、ボツにして良かった。
締め切りに追い回される人生を送るとこだった。
 しかし、人生にも必ず締め切りがある。
どのように生きたか、神様から宿題を与えられて生まれたのだ。
どう生きようとその人の勝手だが、怠惰に生きておいて自分の人生暗かったと人のせいにされても困る。
銀行から借金しておいて、返済を催促されたら銀行を鬼か蛇のように言うのに似ている。
「ボクもそう思った時代があった」 命は自分のもののようだが、神様からの借り物と考えて、燃えて輝いて生きた方がいい。

試練と忍耐の日々
 人生に定年はない。誰にも歩む人生は花の時もあれば、絶望し袖に涙の試練の時もある。七転八起でいい。試練は忍耐を生む。耐えて練られた人は品性を生む・。
やがていぶし銀のような老人になり、そこには失望はない。死の寸前まで希望を生み出す。
 
  『求む! このコーナーに執筆しようと思う方、現われよ』

*このコーナーは毎週日本海新聞で掲載しています

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