ヒゲおやじの絵日記/心の旅人
第14話「おいらの在所」
絵と文・猪熊燻太郎/提供・朝野家
おいらの住所
但馬エートコ自然の宝庫。そないに言われりゃ聞こえはエーが、年がら年中山家暮らしのこの身には、うんざりすること数知れず。
三日に一度降る雨に、弁当忘れて傘を持ち。やっとの思いで迎えた師走。冷たい木枯らし吹きつけて、頬(ほお)に張り付く請求書。とかくこの世はいつの世も、お金が仇(かたき)の綱渡り。
フッと溜息見上げた山が、男じゃないか元気を出して、明日に生きろ夢を持て。
雀(すずめ)チュンチュン朝が来て、寝ボケ眼で戸を開けりゃ、外は大雪、スリップ追突大渋滞。おまけに屋根から大雪ドサリのプレゼント。
カラスカーカー日が暮れて、家路目指してハンドル握り、鼻歌気分で峠に来れば、またまた追突大渋滞。とうとう頭に血がのぼり、ガマン限界これまでと、外に飛び出しスッテンコロリのツルリンコ。泣きベソあわれの雪だるま。雪の在所に生まれたばっかりに、これも因果とあきらめて、じっとがまんで春を待つ。
小鳥ピーチク春が来た。山も畑も花盛り。夕焼けこ焼けの帰り道、赤い灯青い灯ないけれど、萌える若葉が心にしみる。
但馬エートコ自然の宝庫。そないに言うなら来ておくれ。
おみやげ持って来ておくれ。但馬エートコ自然の宝庫。
言われなくてもわかってる。やっぱり但馬はおいらの在所。

*このコーナーは毎週日本海新聞で掲載しています

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